Thursday 22 January 2015

Rのひとつ覚え

■「Rのひとつ覚え」問題

日本語ネイティヴの英語学習者にとって、Rの発音・RとLの区別が重要であることは間違いない。
しかし、**のひとつ覚えのようにRを見たら舌を巻き、綴りのRがあったら味噌**一緒に注意するというのは間違い。
どうもこの「Rのひとつ覚え」とでも呼ぶべき、何かRの発音(っぽく)さえやっていれば「英語の発音が小慣れて(?)いる」という誤解が根深いように感じる。

■ 母音の「前」のRが大事

まず、母音ののR(例:far, more, wordなど)はイギリス発音ではオプショナル。もちろん、舌の丸めは「伴っても良い」わけだが、母音ののR(つまりカタカナで言うと「ラリルレロ」になる箇所:right, friend, spring, centuryなど)で向けるべき注意と比べ、優先順位は格段に低い。

 「アー」の区別

また、これは母音の区別も関わってくる話だが、「Rのひとつ覚え」な人の多くは、口を大きく開く"ar"と、あいまい母音を伸ばす(=口の開きは狭い)"er, ir, ur, ear"も区別されていないことが多い。

ここでの区別においては、はっきり言ってRの音を響かせるかどうかなんてどうでもいい。(上で見たとおり、母音の後のRなので、あくまでオプションにすぎない。)

それよりも「口の開き加減の違い」が重要。
特に、Rっぽく発音することばかりにこだわっている人は、本来「大あくびをするとき・医者に喉を診てもらうとき」のように口を大きく開けるべき"ar [ɑːr]" の所で、口を開かずに"er, ir, ur, ear"の綴りの時の発音 [əːr]になっていることが多い。

その結果、star(星)が stir(かき混ぜる)に、far(遠い)が fur(毛皮)に、part(部分)が pert(生意気な)に聞こえてしまう。※特にpertは offensiveな表現に捉えられることもあるので要注意。

☆Here is the Path to Wonderland★

「何でもかんでもRの音を響かせれば英語っぽい」というのは、バカのひとつ覚えに過ぎない。正しいところで正しいRを発音できるのが本物の発音力であり英語力である。