Friday, 3 April 2015

Lemonginaの違和感

Orangina(オランジーナ)は1936年からの歴史を持つフランスの国民的飲料…だ、そうです。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Orangina

"-ina"という響きがなんとなくフランス語っぽくないように感じていたものの、とはいえ l'orangeという元々の単語から派生した商品名として、フランス人(正確にはフランス系アルジェリア人)が名づけたたものとして自然に受け止めることができる。

…が一方、新発売となった Lemongina(レモンジーナ)という商品名には、とてつもない違和感があった。調べてみると案の定、これは日本限定商品であるらしい:
http://www.orangina.jp/lemongina/

一応「オランジーナ社と共同開発」だそうですが、商品名は絶対に日本人が考えたんだろうな、ということが、発音を分析するとすぐに見えてくる。

■Gはどこから?問題

Oranginaの "g"は、当然 orangeのものである。よって、単語の成り立ちは "orange + -ina"となり、こちらは聞いて自然にorangeが想起できる。(ちなみに -inaという語尾は女性の名前を作るラテン語系接尾辞)

それに対し、Lemonginaでは "g"が完全に「身元不明」状態である。Ginaという女性名は存在するが、元々おさまりの良い単語に-ginaという語尾がいきなり押し入って単語を作りだすようなことはない。

Luigi + -ina = Luigina, George + -ina = Georgina, Rex + -ina = Regina
*Regina | rɪdʒiːnə |は | reksiːnə |から変化

というように、"g"は語幹に含まれているべき要素なのである。

■音節数の考え方

上で見たことを踏まえると、ネイティヴスピーカーであれば、「語幹 + -ina」のルールを適用して "Lemonina(レモニーナ)"と命名したのではないかと思われる。

オランジーナと並べた時に、レモニーナだと「リズムが合わない」と感じたならば、それはまさしく日本語の発想であり、これこそが「レモンジーナ」という商品名が日本人によってつけられたであろうと予測できる最大のポイント。

日本語の音節/モーラの数え方では、
オ・ラ・ン・ジ・ー・ナ
レ・モ・ン・ジ・ー・ナ
で共に6拍と数えるので、これはこれで日本語のリズムの合わせ方としては正しい。
*レ・モ・ニ・ー・ナは5拍である、念のため。

しかし、ヨーロッパ諸言語の音節数の数え方としては、
Or-an-gi-na
Le-mo-ni-na
となるので、両者ともに4音節語でリズムが揃っている

☆Here is the Path to Wonderland★

現状では「日本限定」で日本人を(主な)対象として販売している商品ではあるが、どうも外国語が「ことば」として扱われずに、雰囲気や響きで(言ってみれば「ノリで」)軽々しく使われている感が否めないように思う。

「フランス発祥!」といったイメージで売り出すのであれば、ネイティヴが聞いて違和感を覚えることのない商品名の方が好ましいんじゃないかなぁ…?

なお、今日買って飲みましたけどね(-ω-)v



2 comments:

  1. Amuro→Amurer「アムラー」から「ラー」を取り出してマヨネーズ→マヨラーとしてしまう音節文字脳民族に文句言ってもむなしいですね。

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    1. コメントありがとうございます。
      音節拍リズムに基づいた、「日本語としての語形成の正しさ」というものもあるので、何を問題視するかの線引きは難しいところですが…(-ω-;
      「文句を言う」といいますか、本物の英語教師として、まずは自分の生徒・ブログ読者から正しい言語感覚を広めていくためにも、おかしいと思った言語表現へのツッコミ・解説を発信するのも自分の professionの一環かなと考えています。

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