Tuesday 27 February 2018

【ガリレオ研究室】「生徒のレビュー」更新!

Naomiさん reviewへ

英検1級に合格したものの、二次試験の「発音」の評価(7/10点)に満足いかなかったところから、ガリレオ研究室の受講を決めてくださった Naomiさん。ガリレオが大学院時代に音声学の授業を受けていた時のテキストであった Better English Pronunciation (J. D. O'Conner, 1980)をベースに、発音のメカニズムから解き明かしていくレッスンを進めています(2018年2月末時点で16回+初回体験 x2回受講)。

生徒のレビューを読む

Naomiさんの書いてくれた
「聞いて、真似する」方式の学習の限界がもっと共通認識されるようになればいいのにな、と思う今日この頃である。
(※太字はガリレオによる)
という箇所は読んで何度もうなずいた。(→ こちらの過去記事も参照

ガリレオ自身の学生時代を思い出してみても、中・高校生時代から自分なりに発音には意識を向けて学んでいたつもりだった。しかしそれでも、大学1年次に専門課程の「音声学」の第1回目に出た時点で、「こんなに大事なことを、どうしてこれまで誰も教えてくれなかったんだ!」という思いに駆られたのを鮮明に覚えている。

例えば、「『イー』と伸ばす音」くらいにしか思っていなかった /iː/ が、緊張母音と呼ばれる母音であり、長さではなく口を横に引いて表情筋を緊張させることこそが肝であると知った時には、まさに Naomiさんのレビューと全く同じ「でも、自分では気づけないよ!という思いを抱いたものです。

しかも、そもそも「音声学」の授業は、英語の教員免許を取ろうとする学生しか受講機会がなく、毎年多くても40名程度という人数制限もあった。もっとも、その授業で基礎を学び、その後も自己研鑽を続ける英語教師が教壇に立ち、若い生徒たちの発音を鍛えるサイクルが確立されていれば良いのだが…実情は推して知るべし。

このように、今までは大学の中でも、ごく一部の学部の、さらにごく一部の学生にしか開かれていなかった英語音声学に基づいた「仕組みから学べる発音矯正」を提供できるのがガリレオ研究室。(しかも実際の発音の出来にはガリレオの「鬼の目・鬼の耳」によるチェックが入り、「1,000回言い続けて変わり始める」という教師は忍耐の哲学の元、根気強い指導を続けていきます。)

自己流の発音学習に限界を感じている人・最初から正しい発音を身に付けたい人は、ぜひガリレオ研究室のレッスンを体験してみてほしい。

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Wednesday 21 February 2018

Winnie-the-Pooh 新訳・解説プロジェクト:作品への想い

Winnie-the-Poohに対するガリレオの想い

ガリレオが初めて「1冊」読破した洋書といえば Harry Potter and the Chamber of Secretsですが、実はその前に高校2年の時の Oral Communication I(当時)の夏休みの宿題で、Winnie-the-Poohの Chapter 1 (In which we are introduced to Winnie-the-Pooh and some Bees, and the stories begin)を読んだことがあります。

つまり Winnie-the-Poohは、ガリレオにとって、「英語で原文を読んだ」という意味では記念すべき第一歩となった思い出深い作品ということになるのです。

その後、大学に入ってから改めて1冊全体を読み通し、大学院の時にも研究のフィールドワークとして読み返しました。このように繰り返し読んできた中で、この Winnie-the-Poohの英文というのは、アリスやハリー・ポッター、メアリー・ポピンズ、チャーリーとチョコレート工場などと同様、一見「児童文学」というイメージから簡単そうに思われながらも決して侮れないことを実感しました。間違いなく、英語を精読できる力が増すごとに新たな姿を見せてくれる深い作品のひとつとして挙げられるものでしょう。

Pooh_books


■ 英語学的な分析対象の宝庫

何しろ、第1章のはじめの方で、Christopher Robinは
'He's Winnie-ther-Pooh. Don't you know what "ther" means?'
「ウィニー・ザ〜ァ・プーだよ。『ザ〜ァ』ってどんな意味か知らない?」
と、英語学者ですらドキリとするようなことを聞いてくるし、プーさんのはちみつが honeyではなく hunnyなのも、発音とスペリングの対応関係を考えれば極めて「理にかなったミススペリング」であるし、第8章では North Pole(北極)を探して「棒険」に出かけるし…

英語学の知見を頼りに分析をしていくと、『不思議の国 / 鏡の国のアリス』に匹敵するくらい、楽しくてしょうがないのです。

そんな意味でも、ガリレオが新訳・解説を手がけて然るべきという思いですら、ふつふつと湧き上がってくる。決して平坦な道のりではないでしょうが、ガリレオだからこそ伝えられるプーさんの魅力を表現していきます。どうぞご期待ください♪

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「ぬいぐるみ達との対話」には、この上なく長けているのでね( ̄▽ ̄)


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Sunday 18 February 2018

Winnie-the-Pooh 新訳・解説プロジェクト始動!

■ クマのプーさんがパブリック・ドメイン入り

Pooh_image
CC0 Image by acandraja / Pixabay

2017年5月21日、Winnie-the-Pooh (A. A. Milne, 1926)の著作権保護期間が切れ、public domainとなりました。(参考:「くまのプーさん:新たなる旅立ち」, 福井健策,  2017, 骨董通り法律事務所コラム)

これを受けて、「100エーカーの森の道案内人」として、ガリレオもいざ名乗りをあげることにしました。ミルンによって紡ぎ出された原文の魅力を楽しみながら存分に味わっていただけるように、年明けから翻訳および英文解説の執筆を少しずつ進めているところです。いずれは正式に世に問えるものにできるようにと考えています。

ちょうど昨年、筑波大学大学院の恩師の一人である安井泉先生が『対訳・注解 不思議の国のアリス』を上梓され、自分としても挑戦してみたいという想いが湧き上がっていたところに、個人的に思い入れのある作品でもある Winnie-the-Poohが(更に20年延長されることなく)public domain入りしたとなれば、これはやるしかないでしょう。

■ Introduction ガリレオ訳

今回の記事では、「まえがき (Introduction)」の対訳部分を紹介します。
 もし、きみが、どこかで、クリストファー・ロビンのことについて書かれたもう一冊の本を読んだことがあるなら、彼がかつて白鳥を飼っていて(それとも、白鳥のほうがクリストファー・ロビンを飼っていたのかな?)、その白鳥のことを「プー」と呼んでいたのを覚えているかもしれないね。

 If you happen to have read another book about Christopher Robin, you may remember that he once had a swan (or the swan had Christopher Robin, I don’t know which), and that he used to call this swan Pooh.

それはずいぶん前のお話で、わたしたちが白鳥にさよならをしたとき、「プー」という名前だけは連れてきたのさ。白鳥は、もう「プー」って名前はいらないだろう、と思ったからね。

That was a long time ago, and when we said good-bye, we took the name with us, as we didn’t think the swan would want it any more.

さて、今度はクリストファー・ロビンのテディ・ベアが、「なにか、呼ばれたら嬉しくなるような、ぼくだけの名前がほしいなぁ。」って言ったんだ。すると、クリストファー・ロビンは、ちょっと考えてみるなんてこともしないで、すぐに、「ウィニー・ザ・プーにしよう。」と言って、そういうことに決まったんだ。

Well, when Edward Bear said that he would like an exciting name all to himself, Christopher Robin said at once, without stopping to think, that he was Winnie-the-Pooh. And he was.

さて、これで「プー」って名前の部分は説明したわけだから、今度は残りの「ウィニー」の方のお話をしていくよ。

So, as I have explained the Pooh part, I will now explain the rest of it.

 ロンドンにしばらくいれば、誰だって動物園に行きたくなるよね。世の中には、動物園に行っても、「入口」って書かれたはじめのところから歩き始めて、どの動物のオリもできるだけ速く通り過ぎてしまっては、「出口」ってところまで行き着いてしまう人もいるけど、本当に良い人というのは、まっすぐにいちばん大好きな動物のところに行って、ずうっとそこにいるものなんだ。

 You can’t be in London for long without going to the Zoo. There are some people who begin the Zoo at the beginning, called WAYIN, and walk as quickly as they can past every cage until they get to the one called WAYOUT, but the nicest people go straight to the animal they love the most, and stay there.

だから、クリストファー・ロビンが動物園に行くときは、ホッキョクグマのところに向かうってわけ。そして左から3番目の飼育員さんに何かささやくと、ドアを開けてもらえるから、暗い通路や急な階段をクネクネと進んで行って、やっと、あの特別なオリの前にたどり着くんだ。そのオリも開けられると、のそっと出て来るのが、茶色いモコモコしたやつで ー「やぁ、クマさん!」と嬉しそうな声をあげると、クリストファー・ロビンは、その腕の中に飛び込んで行くんだよ。

So when Christopher Robin goes to the Zoo, he goes to where the Polar Bears are, and he whispers something to the third keeper from the left, and doors are unlocked, and we wander through dark passages and up steep stairs, until at last we come to the special cage, and the cage is opened, and out trots something brown and furry, and with a happy cry of ‘Oh, Bear!’ Christopher Robin rushes into its arms.

で、このクマの名前が「ウィニー」って言ってね。だから、この名前が、どんなにクマにぴったりなのか、わかってもらえたでしょう。でも、おかしいなぁ。「プー」が先で「ウィニー」って名前をつけたんだっけ、それとも「ウィニー」が先で「プー」だっけ?前はちゃんと知っていたんだよ。でも、もう忘れちゃってね…

Now this bear’s name is Winnie, which shows what a good name for bears it is, but the funny thing is that we can’t remember whether Winnie is called after Pooh, or Pooh after Winnie. We did know once, but we have forgotten. . . .

 ここまで書いたところで、コブタのピグレットがこちらを見あげて、「ぼくのことは?」って、かん高いキイキイ声で聞いてきたよ。

 I had written as far as this when Piglet looked up and said in his squeaky voice, ‘What about Me?’

だから、「ねぇピグレット」と呼びかけて、「この本ぜーんぶに、君のことが書いてあるんだよ。」と答えてあげたんだけど、「でも、これプーの本なんでしょ?」って、キイキイ声ですぐ言い返してきたんだ。

‘My dear Piglet,’ I said, ‘the whole book is about you.’ ‘So it is about Pooh,’ he squeaked.

わかるよね。ピグレットはヤキモチをやいているのさ。この「だいじなまえがき」を、プーにひとりじめされたと思ってね。

You see what it is. He is jealous because he thinks Pooh is having a Grand Introduction all to himself.

もちろん、プーはクリストファー・ロビンのいちばんのお気に入り。それを「ちがうよ」と言うことはできないけど、それでも、プーではいけなくて、ピグレットの出番になるようなこともたくさんあるんだよ。だって、みんなに気づかれないように、こっそりプーを学校に連れて行くなんてことはできないけど、ピグレットなら小さいから、するっとポケットに入れちゃうもんね。そして、「7かける2は12だったっけ、22だったっけ?」と、よくわからなくなったとき、ポケットの中のピグレットに触ってみれば、どんなに心が落ち着くだろう。

Pooh is the favourite, of course, there’s no denying it, but Piglet comes in for a good many things which Pooh misses; because you can’t take Pooh to school without everybody knowing it, but Piglet is so small that he slips into a pocket, where it is very comforting to feel him when you are not quite sure whether twice seven is twelve or twenty-two.

ときどき、ピグレットはポケットからするっと抜け出して、インクつぼの中をじーっとのぞきこんだりもするから、そんなわけで、プーよりも高い教育を受けているってことになるんだ。もっとも、プーは気にしてないけどね。知恵を持つのもいるし、持たないのもいる、とプーは言うんだ。そういうものさ。

Sometimes he slips out and has a good look in the ink-pot, and in this way he has got more education than Pooh, but Pooh doesn’t mind. Some have brains, and some haven’t, he says, and there it is. 

 さぁ、他のみんなも言いだしたよ、「ぼくたちのことは?」って。だから「まえがき」はこのくらいにして、お話にとりかかる方が良さそうだね。

 And now, all the others are saying, ‘What about Us?’ So perhaps the best thing to do is to stop writing Introductions and get on with the book.
※拙訳;本記事掲載の訳は、推敲の上、加筆修正を施す可能性があります。

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それにしても、平昌オリンピックでの羽生結弦選手の演技の後、プーさんが降ってましたねぇ…( ̄▽ ̄;)


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Tuesday 13 February 2018

「ガリレオ研究室」オススメ TED動画: Want to change the world? Start by being brave enough to care | Cleo Wade

内容もさることながら、聴いていて耳に心地よい英語のリズムを感じました。

「読書百遍、意自ずから通ず」といった学びは、とかく効率化を求める現代の風潮には合いにくいものではあるが、それでも「意味」を一度脇に置いてでも、耳を傾け、音読・暗唱して、英語の「音」の心地よさを感じてみてほしい。


=====
例えば、まず最初の "オチ" (punchline)へと至る箇所 (0:54頃):
I wanted him to know that the way we find our strength is through our challenges. I wanted him to know that we can all do something big when we start small. I wanted him to know that each of us is more resilient than we could ever imagine. So here I am holding little Thelonious. I look down at him, and it hits me: he's a baby.
"I wanted him to know that ~"という弱・強リズムの繰り返しで、確かに大人が子どもに伝えたいと想うメッセージが提示され…

Thelonious君を腕に抱きながら気がついた (it hits me):赤ちゃんやないか!と。

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また、ガリレオが個人的に「ここは!」と思ったのが以下 (8:47頃):
We forget that the power to change someone's life is always in our hands. Change-making does not belong to one group of people; it belongs to all of us. You don't have to wait on anyone to tell you that you are in this. Begin. Start by doing what you can with what you've got, where you are and in your own way.
(大意):
変化を起こす力は自らの手の中にある。始めよう。自分にできることから、今あるもので、今いる場所で、自分のやり方で。

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他にも、"We can transform insecurity into security." (6:31頃) のように、「おぉ(゚∀゚)!」と感じる英語に乗って、愛情あふれたメッセージが届けられています。

単なるフリートークレッスンや、試験で得点を稼ぐための作文練習では、英語の「語感・質感」にまで意識を向ける機会はほとんど得られないであろう。

しかし、本物の outputの力を涵養するのは美しい英文の手本。ぜひ、まずは耳から、楽しんでみてください♪


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Friday 2 February 2018

英語学習Q-A: ノートはどう作れば良いですか?

■【GSI】: Galileo Studies Italian ~ノート2冊目へ~

本記事では、ガリレオのイタリア語学習の進め方を紹介しながら、英語をはじめとする語学学習者のために「ガリレオ流ノート論」を示してみたい。

さて、現在進めている問題集 Nuovo Progetto Italiano 1のために用意したA4ノートが、本日 Unità 8の半ばで 2冊目に突入しました。

イタリア語ノート
ガリレオのイタリア語学習ノート

効率を考えれば問題集に直接書き込んだ方が早いわけだし、別に「ノートを作ること」それ自体がエライとも思わない。結論から言えば、どれだけノートに残したかではなく、どれだけに残したかである。ノート作りで満足して反復練習を疎かにするくらいならば、さっさと問題集に書き込んでしまって、浮いた時間で音読などのトレーニングを積み重ねた方が良いという考え方もある。

そうは言いつつも、ガリレオ自身の語学学習は「かなり書く方」だと思う。
  • 現在(イタリア語)
    → 問題集の本文は全てノートに書き写して取り組む。
  • 中学・高校(英語)
    → 教科書本文をノートに書き、授業中の説明を書き加える。
  • 大学時代(ドイツ・フランス語)
    → リスニングの比重が高いテキストを題材に、片っ端からディクテーション
英語ノート
高校1年生時代の英語ノート

ちなみにイタリア語でも、大学時代ほど学習全体に占める比重は高くないものの、リスニングの問題は自力で聞き取れる限界まで全文ディクテーションに取り組んでいる。

■ 書写心得

ここで、「教科書や問題集の本文をノートに書き写す」ということについては付言して注意を促しておきたい。ただ漫然と転記するのは「作業」であり「学習」ではない。労力に見合うような効果も期待できないであろう。

あくまでも、覚えられるギリギリの長さの文・フレーズを短期記憶に保持し、その覚えたものを書き出していくことが大切。音読における Read and Look upと同じ要領である。

ガリレオも、イタリア語では「覚えられるギリギリの長さ」というのは本当にまだまだ短いものです( ̄▽ ̄;) それでも、継続してやっていくことで、何度も出てきた表現やシンプルな構造であれば、文単位で一気に書けるようなものが少しずつ増えてきました。

★ Here is the Path to Wonderland☆
Ho dimenticato la il cellulare a casa e devo tornare a prenderlo.
(I forgot the cellphone at home and have to go back to get it.)

↑ 試しに一番最近やった問題の例文を上の方法で書いてみた。
cellulareは男性名詞か…(-。-;


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