Monday, 12 December 2016

「下手になるための練習」をしていないか?

まずは下のサッカー(シュート練習)動画をご覧いただきたい。
※ 1:48-2:40のあたりのコーチングに注目!



サッカーファンの間で俗に「宇宙開発」と揶揄されるような、ゴールの枠を大きく越えて外れてしまうようなシュートが 3回続いたところで、コーチがすかさず流れを止め、"You must stop and reassess what you're doing"「一度中断して自分のしていることを再検討せよ」と指導に入っている。

続けて "All you're doing is practicing to miss the goal. It's a habit. The more times you do that, it becomes a habit."「(同じように漫然と練習を続けていても)ゴールを外す練習をしているに過ぎない。習慣の問題だ。外せば外すほど、それが習慣化されてしまう。」と注意喚起し、具体的にシュート時の軸足の踏み込みについての技術的アドヴァイスに進んでいる。

この一連の指導の流れというのが、ガリレオの目には非常に美しく見えた。

とりわけ "The more times you do that, it becomes a habit."は英語学習に対しても示唆に富んでいる。例えば「音読」を勧める教員は数あれど、英語らしい発音の"枠を外した"まま練習を続けている生徒の活動を「止めて→アドヴァイスを与え→再開」というサイクルを徹底している者がどれだけいるか。

選手/生徒としては、プレー/活動を止められて指導を受けることがない限り、「今日もX時間の練習をこなした」と考えるだろうし、ともすれば満足感を得て「続けていくことが上達につながるはずだ」と信じ込んでしまう可能性も高いであろう。しかしその実態は「下手になるための練習」であり、ダメなパフォーマンスを習慣化しているだけの時間の浪費に過ぎない可能性がある。

本来は指導者の側により深い自覚があって然るべきことではある*が、学習者の側としても自身の行なっている学習が「下手になるための練習」担っていないか、「上達するための練習」にするには何が必要か、といったことを "stop and reassess"してみると良いだろう。

*だからこそ、日常生活ではスポーツと縁遠いガリレオではあるが、個人的に好きなサッカーを中心に、指導のヒントを得るべくこうしてアンテナを伸ばしているわけである。「下手にするための練習」を放置するというダメな指導自体も、続けていると習慣化されてしまう。


★Here is the Path to Wonderland☆
【関連】ガリレオ研究室「生徒のレビュー」ページ
しろさんのレビューに対する「ガリレオより:(音読学習について)」も、是非あわせてお読みください。



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