率直に感じたことを記すと、安河内さんのように英語教育界で大きな影響力を持っているような人が、(わざわざ出張先のホテルで wi-fiを繋いでまで)「オンライン英会話」をやる時間を割く代わりに、英文法書や(音声学など)英語学の専門書を紐解いて自身の授業に還元するようになっていけば、その方が圧倒的に「国民全員の」英語学習に対する意識改革や英語力の向上に寄与するであろう。
また、確かに安河内さんならば「オンライン英会話レッスン」で時間や場所に縛られずに Outputの実践練習を重ねることの効果もあるかもしれないが、では一般学習者に同じことを勧めて同じ結果が期待できるか?というと話を分けて考えねばならない。Outputを見越した学習が必要ということ自体には異論はないが、そうであればこそ、英語教師の自己研鑽としては、まずは Input→ Intakeのところで生徒により質の高いものを指導できるように…という視点が重要なのではないかとガリレオは考える。
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【本物の英語教師】ガリレオ:University College London (Linguistics MA)留学 (2021/22)
Dissertation in Linguistics 90点 (High Distinction)・受講した授業すべて Distinctionの成績を収める。
IELTS 8.0・英検1級・TOEIC 985点取得
言語研究と語学学習の架け橋を目指し教育活動中
Saturday, 23 September 2017
Saturday, 16 September 2017
IELTSも深いね
IELTSの問題を言語学者が見ると…?
最近、Skypeレッスンで IELTSの指導をするようになったのですが、『IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集』の Listening対策 Activity 1.4 (p. 26)から早速、言語学的に分析すると深い理解が得られる例が目にとまりました:1.4
5. You require a storage facility for a case weighing 23 kilogrammes.
7. You will also require a car park for your vehicle, registration number: YXW 6069 AK.
(※太字は筆者による)
この問題は 1~7までのリスニング問題文で「Travel agentがお客さんの旅行の予約内容・予定を確認する」という流れで話がつながっている(と解釈できる)内容。
その中で、なぜ問5では現在形の requireが使われ、問7では will requireという形になっているのでしょうか?
現在形=発話時を中心に同心円状の広がりを持って成り立つ
5. You require a storage facility for a case weighing 23 kilogrammes.上例の場合、現在形の使用を保証する背景状況として考えられるのは、
「23kgの荷物には保管設備が必要になります。」
- お客さん側からの申し出 or ホテルのルールとして、「(持ち込む予定の 23kgの荷物に対して)保管設備が必要」という状況は、発話時を中心に常に成り立つ事実として扱うことができる
will(法助動詞)=話し手の判断を表す
7. You will also require a car park for your vehicle, registration number: YXW 6069 AK.一方こちらの例で用いられている法助動詞の willは、話し手の予測・判断に基づく発話であることを示している。よって読み取れる状況(一例)というのは、
「お車に駐車場も必要になります。お車の登録番号は YXW 6069 AKです。」
- 話し手である travel agentは、このお客さんがホテルに車で向かうことを聞いており、その情報に基づいて「車で行くのであれば駐車場も必要になる」という自身の判断を相手に確認・念押しするつもりで述べている
IELTSのバンドスコアは何のため?
もちろん、ここまで検討してきたような「深読み」をしなくても、問5では "23kg"・問7では "YXW 6069 AK"さえ聴き取って解答欄に書けば点数にはなる。しかし、IELTS(TOEIC / TOEFL / 英検なども然り)を受験するつもりがあるのであれば、そのスコアや級を何のために求めていくのか、もう一度しっかりと見つめ直してほしい。
例えば IELTSであれば、留学や移住申請のために目標バンドスコアの達成が必要…ということになろう。そうであれば尚更、(もちろん最初のサバイバル段階ではキーワードとなる情報に集中して聴き取ることが必要な場面も往往にしてあるにせよ)留学や移住後には、上で見てきたようなニュアンスの微細な違いこそがより重要な問題となってくるはずである。
「点取り合戦」に踊らされ、解答に直接関わらない部分はどうでも良い…という取り組み方では、やはり本質から逸れていく結果になる。
今回の記事で紹介した例文は、公認問題集の中でも最初の方に出てくる、いわば基礎トレーニング問題からの引用です。そんな一見「ちょっとした問題」であっても、ことばを真摯に見つめる眼を持って見ればここまで深い。
★Here is the Path to Wonderland☆
言語現象には必ず理由がある。テストの英文にも、そこから拡がるストーリーがある。
無味乾燥に思えるテスト問題でも、英文から読み取れる人々の息遣いが想像できるようになると学習が楽しくなりますよ!(← ガリレオの実感)
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Thursday, 14 September 2017
センター英語(2017年)解説動画公開!【第3問B パラグラフ中の不要な文の選択問題】
センター英語解説動画シリーズ、第3問Bの動画をアップしました!
今回の「こだわりポイント」は read and look upによる範読。Skype授業では生徒に challengingな長さの英文の read and look upや暗唱を求めるだけに、率先垂範の精神で"撮り"組みました。
もちろん解説の質としても、巷でよく見かけるような全文和訳を前提とした、事実上は何も"解説"していないようなものとは一線を画し、解法のプロセスを明示しています。
第3問Bのような「パラグラフ中の不要な文の選択問題」は、長文問題や大学進学後のレポート・論文執筆にも役立つ基礎の基礎をなす重要な問題であると言えるでしょう。ぜひご視聴の上、英語のパラグラフ構成の基本を身につけるのにお役立てください。
★Here is the Path to Wonderland☆
よくある"解説":「選択肢◯番の文は全体の趣旨から外れているので…」
→ いや、なぜそう言えるかを説明せなあかんやん!
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今回の「こだわりポイント」は read and look upによる範読。Skype授業では生徒に challengingな長さの英文の read and look upや暗唱を求めるだけに、率先垂範の精神で"撮り"組みました。
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→ いや、なぜそう言えるかを説明せなあかんやん!
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