最近のレッスンで、短い期間で2人の生徒が suggestを間違った使い方で用いていたので指摘・解説をすることになったし、実を言うと私自身も、大学院時代くらいまでは、辞書で確認しないと安心して使えないということが何度もあった。
当記事では suggestの用法を正確に記憶するための打開策を紹介し、縁あって本物の英語教師 Hirohitoを知るに至った読者の方々には、もう二度と迷うことなく、正しい語法で使いこなせるようになっていただきたい。
■Suggestの用法は◯◯◯と同じ!
日本人学習者にとって、suggestの用法を間違いやすい大きな理由は、「〜を提案する」という訳語に頼って記憶していることにある。
このことにより、"同じような"意味を表す(ように錯覚する)adviseなどの動詞の類推で、"advise人 to do"と同じように使ってしまいがちになる。
Suggestの正しい用法は、(幾つかパターンはあるが「人が〜することを提案する」の意味でまず頭に入れて欲しいのは)、
"suggest (to 人) that S + V ~" という語法である。
つまり、「誰々に提案する」という提案相手を導くために "to 人"を伴うことはあっても、提案内容は that節で表すのがポイント。
そしてこの語法パターンを記憶に残すためには、以下のことを頭に叩き込んでいただきたい:
★Suggestの用法は Sayと同じ!★
「Sayがthat節を後ろに取る」ということは、大半の英語学習者にとって強固なイメージが確立されていることだと思う。
また、直接話法/間接話法を学んでいれば、"Tom said to me that he was sorry."のような例文も、なんとなく見覚えがあるのではないだろうか。
よって、多少乱暴だが「suggest = say」と覚えておくことで、間違った用法で使うことを防ぐ防波堤としては充分に機能する。
■"suggest (to 人) that S V ~"が表す提案のニュアンスとは?
今回の内容で絶対に頭に残して欲しいことは 「Suggest = Say」なので、この先は余力のある人だけ進んでいただくので構いません。
次に疑問に思って欲しいことは、「同じ」提案系でありながら、なぜ一部の動詞は後ろに "人 to do"を取れて、suggestはそのパターンを取ることができないのか?ということ。これは、語源や細かい差異に光を当てることで浮かび上がってくる。*
まず語源を見ていくと、
suggest: sug-/sub-(下に)+ gest(運ぶ)→自分の考えを相手の思考の下に運ぶ
英英時点の定義では、
suggest: to put forward an idea or a plan for other people to think about
(参考:Oxford Advanced Learner's dictionary)
以上のことから、suggestは「相手に考慮に入れてもらえるように自分の考えをそっと差し出す」程度の、かなり慎ましい性格の動詞なのである。
よって、判断については相手に委ね、「まず提案を述べてみる」という程度のニュアンスになる。その意味でもやはり sayに近い性質を持っていると言えるのである。
★Here is the Path to Wonderland★
- Suggestの用法は Sayと同じ!
- suggestは、相手に判断を委ねて「まず提案を述べてみる」という程度のニュアンス!
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