そのような発音の存在に気づくことができたら、自分で実際に正しい音が出せるようにするのが次のステップ。
帯気音は、まさに子音 /p, t, k/と母音との間に /h/のような強い息の放出を伴う発音のため、子音と母音を切り離せてナンボである。しかしながら、日本語の音節構造が基本的に
- 子音+母音=かな1文字(例: t + a = た[ta])
では、ガリレオはどのように指導したか?
以下をぜひ参考にしていただきたい。
★「/p, t, k/の後は『アイウエオ』ではなく『ハヒフヘホ』を言うつもりで!」
これが、"tea"をなかなか帯気音を伴って [tʰiː]と言えなかった生徒の発音を劇的に改善させた魔法の言葉。厳密に言えば日本語の「ヒ・フ」の子音部分は英語の /h/とは異なるのだが、/t/と母音の間に「声帯を振動させない呼気の放出」を伴う感覚を実感してもらう効果は得られる。上のアドヴァイスに沿った練習をさせる前には、「ta, ti, tu, te, to」を超スローモーションで言わせることで子音と母音の切り離しを狙ったのだが、この生徒に関しては子音〜母音間は広がらずに単に母音部分が伸びてしまっていた。
よって大事なことは、同じ音を指導するためのアイディアを常に複数持ち、「手を替え品を替え」をできるようにしておくこと。授業をしていて常々感じることだが、どこでブレイクスルーが起こるかは、本当に生徒によって十人十色・千差万別である。
★Here is the Path to Wonderland☆
じゃんけんでも、グー・チョキ・パーの3種から選べるのでなければ勝てないでしょ。
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(補足):帯気音について
『絶対発音力』(靜哲人, 2009, ジャパンライム) p. 149より引用。 本文の「/p, t, k/ + ハヒフヘホ」という指導アイディアもこちらを参考にしたもの。 |
英語の無声破裂音 /p, t, k/の後に強勢の置かれる母音が続くとき、破裂に続いて母音に移行する間に / h /で表されるような「息だけ出している無音状態」を伴う発音。
専門的に表記すれば [ ʰ ]という記号で表される。以下の例を参照:
- tea [tʰiː]
- time [tʰaɪm]
- park [pʰɑː(r)k]
- cake [kʰeɪk]
ただし /p, t, k/の後の母音に強勢がこない場合は帯気音とならず、例えば paper [ˈpʰeɪpə(r)] の2つの /p/のうち、語頭は帯気音となるが、語中は無気音(日本語の「パ」の感覚)である。
また、/p, t, k/の前に /s/がある場合は、直後に強勢の来る母音が続く場合でも無気音となる。
- peak [pʰiːk ] → 帯気音
- speak [spiːk] → 無気音
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