例えば、A-問1 [8]で「安い」と言っても salaryのことを表すのに lowを選ばせたり、C-問2 [25]では「バスに乗っていたら道が混んでいて間に合わなかっただろう」という文脈の上で I wouldn't have taken the train without your suggestion.という文を完成させたりと、実際に英語を使う場面で適切な単語や文の選択ができる力を問うている印象を受けた。
ガリレオとしては、もし現役時代にこの問題が出されていたとしても、なにせ受験勉強の合間に Harry Potter and the Chamber of Secretsを読んでいたわけなので、日常あり得ない状況描写だろうとも恐るるに足らずであったことだろう( ̄∀ ̄) だからと言って「受験対策にハリポタを読め!」と勧めるわけではないが、物語文はイメージ化しながら読むと良い。
そのトレーニングにはTed-Edの動画がオススメ。リスニング学習でもよく生徒に勧めているのだが、読んだり聴いたりした英文の内容を、このアニメーションのような感覚で頭の中に描き出してみると良いだろう。Ted-Edならば English subtitleに困ることは殆ど無いだろうし、日本語字幕つきの動画も豊富に揃っている。
もちろん、この回答が感覚的には「正しい」とも言えるのだとは思う。しかし気になるのは、若者たち(と言うと年寄りくさいのだが…)が、自ら使っていることば(?)の意味を説明しよう・考えようとすらしないように見えるところにある。J. S. ミルの『大学教育について』(セント・アンドルーズ大学名誉学長就任講演)では、以下のようなことが述べられている:
しかし、"コミュニケーション"の場で本当の意味で使いこなせる英語表現とは、自ら深く思考を巡らし「腑に落ちた」もの。例えば mustと have to, 過去形と現在完了形など、理解していなければ、いくら「間違いを恐れずに、なんとなくでも伝われば良いんです!」などとノーテンキ精神論でハゲまされたところで、どうしても迷いが生じるものなのである。この「腑に落ちた英語表現」を積み重ねるには、精読×量が欠かせない。