さて、そのサンタクロースの口車にのせられて良いように使われるトナカイさん、なぜ鼻が「赤」なのか?ってところにも、
ことばの法則が働いているのです。
暗い夜道を照らす都合だけなら、金や銀の鼻のトナカイさんの方が(もしいるとしたら)重宝されそうな気もしますが、「赤鼻の」トナカイさんがクリスマスに起用されるようになったのにはちゃんと理由があります。
その理由となる英語の法則は "alliteration" といいます。
これは日本語では「頭韻」といって、2つ以上の単語の語頭の発音を一致
させてリズムを整える技法です。
英語の alliteration の例には事欠くことがなく、以下の有名キャラクターの名前はすべて語頭の発音が揃っています:
- Mickey Mouse ミッキーマウス
- Minnie Mouse ミニーマウス
- Donald Duck ドナルドダック
- Daisy Duck デイジーダック
- Peter Pan ピーターパン
次に見られるような英語のことわざにも alliteration が使われています:
- as busy as a bee(ハチのように忙しい→非常に忙しい)
- as cool as a cucumber(キュウリのように冷たい→落ち着いた)
- Practice what you preach.(日頃唱えていることを実行せよ。)
- Look before you leap.(跳ぶ前に見ろ→転ばぬ先の杖)
話をトナカイさんに戻しますと、トナカイは英語で "reindeer" |ˈreɪndɪə | といいます。そして赤は当然 "red" です。
そうです!サンタクロースのソリを引くのがトナカイ (reindeer) である以上、alliteration の法則によって選ばれるのは、gold-nosed でも silver-nosed でもなく、the Red-Nosed Reindeer(赤鼻のトナカイ)なんです!
その赤鼻のトナカイさん、ちゃんと名前があります。
その名は Rudolph |ˈruːdɔlf | ここでも alliteration が使われていますね。
「赤鼻のトナカイ」の原題は "Rudolph the Red-Nosed Reindeer"
「赤鼻のトナカイ」の原題は "Rudolph the Red-Nosed Reindeer"
クリスマスイブの夜に深夜労働をさせられるトナカイRudolph君の運命は、
ことばの法則 alliteration によって定められていたのですね…
プレゼントを開けるときは、サンタクロースを支えるRudolph君にも感謝です。
☆Here is the path to Wonderland★
"Rudolph the Red-Nosed Reindeer":
/r/ の発音とリズム(●・ ・ ● ● ●・)に注意して、言えるように練習してみてください。
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