Thursday, 7 February 2013

英単語を完全理解する:apologise

あたしはAKBのなかではみぃちゃん推しなのですが…何だかよくわからないまま、「謝罪」ということで坊主頭になって最近話題になっています:
'Sorry' Japan starlet shaves head (BBC News-Asia)

そんなわけで今回は、apologise | əˈpɒlədʒaɪz | という単語について徹底解説していきます

1. 単語の成り立ち

apo-(~から)+ -logy(ことば)+ -ise(動詞を作る接尾辞)
→「罪を逃れるために話す」という意味が根底にあります。
[cf. 『ジーニアス英和大辞典』・Oxford Dictionary of English (2e)]

2.-logy(ことば)に注目!

"log(y)" という単語内の要素をもとにして、他にも "log(y)" のつく語を考えてみましょう:
  • logo | ˈləʊ.ɡəʊ | : お店や会社の「ロゴ」マークは、まさにことばをモチーフにしています。
  • logical | ˈlɒ.dʒɪk.l̩ | : 「論理的」な人は、ことばを使って筋の通った話ができます。
  • dialogue | ˈdaɪə.lɒɡ | : dia-(横切って)+ -logue(ことばを話す)→「対話」
  • biology | baɪ.ˈɒ.lə.dʒi | : bio-(生命)+ -logy(ことばによって学ぶ)→「生物学」
  • eulogy | ˈjuː.lə.dʒi | : 「賛辞」とは、人を褒めることばのことですよね。
などなど…
以上のように、単語内に "log(y)" があると、その単語は「ことば」と関係があると予想ができます。
※ちなみに、このように、「同じ語源を持つ単語をネットワーク的に覚えていく」というのも、単語を覚えるための有力な方法です。ユースプログレッシブ英和辞典のコラムが充実しています。

3.再び apologise の「意味」を考える

ここまで見てきたとおり、apologise も「ことば」と強くかかわった意味を持つ単語です。
一般的には、apologise の訳語として「謝罪する」と覚えることが多いですが、単語の本質を学ぶと、「弁明する」の方がより近い感じがします。
※「弁明する」も、現代の文脈では「言い訳がましい」ようなマイナスのイメージが付いてしまっていますが、元々の意味は「説明して明らかにすること」です。

AKBの峯岸さんは「謝罪の意を示す」ために丸坊主にしたわけですが…
「AKB48を辞めたくない」といったことは述べているものの、今回スキャンダルとなった問題そのものに対しては何も「説明されて明らかになっていない」ですし、"I don't believe just doing this [= shaving head] means I can be forgiven for what I did." と言ったところで、「誰に」「何を」許されるための丸刈りなのかがさっぱりわからないのです。

上のBBCの記事では、"Minami Minegishi apologised to her fans" という表現が使われていたものの、英単語の意味を本質まで探ると、峯岸さんの「謝罪会見」の違和感が浮き出てくる感じがします。

☆Here is the path to Wonderland★

apologise の本質:
自分の言い分や問題の経緯を明らかにした上で、
悪いことをした部分については相手に謝罪する。

4.「まずごめんなさいだろ!」文化に一言

日本って、「まずごめんなさいだろ!」と、説明より先に謝罪(誠意)を強要する文化が昔からあるな~と思って、そこが生きづらさの要因の一つだと個人的には考えています。

例えば今回のみぃちゃんの「事件」に関しても、「年頃の女性グループにおける "no dating rule" は妥当なのか?」とか、「(ある組織に属する以上、どんなルールであっても違反には罰則があるべき、と考えたとしても)アイドルが頭を丸めるという "a traditional form of showing contrition(懺悔)in Japan" を行うのは、罪と罰のバランスが取れているか?」といった側面から考えていかないと、今後も絶対に誰かしらが繰り返してしまうだろうと思います。

その度に、「まずごめんなさい」の意を表すために、
「指を詰めました。」
「腹を切りました。」
「片足ずつ2頭の馬にくくりつけて、別々の方向に走らせました。」
…と、なっていくのですか?

頭丸めて「まずごめんなさい」したって、謝罪する方もされる方もそこで終わるのなら何も解決なんかしません。

本質を見よ。



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