Sunday, 3 February 2013

あずましくないんでないかい?

Global Voices の以下の記事の翻訳チェックを担当しました:

  • 記事タイトル: プエルトリコ:トランスジェンダー・コミュニティーの横顔
  • 英文ver. : click here
  • あたしから一言: LGBTの人は世界中どこでもいるでしょうけど、「自分らしく」生きようとするには、José Quiñonesさんのような人が身近にいるか?周囲で仲間が見つけられるか?といった条件によって左右されてしまう部分が残っているなぁ、と思う記事でした。
[元記事の著者: Luis Trelles, 翻訳: Rie Ihara, 校正: Hirohito K.]

で、この記事の中に出てきた "over (n=数)" の表現について。

「プエルトリコ・クィア映画祭で、"over 15 movies" を上映」という箇所があったのですが、みなさん "over 15 " をどう訳すでしょうか?

今回のターゲットは「15以上」とした人・「16以上」とした人です!
以下の説明をご覧ください:

まず前提として…
日本語の「(n) 以上」・「(n) 以下」という表現は、(n) の数字を含みます。

一方で、over のイメージは以下の図の通り:
ですので、図の○が数 (n) だとしたら、(n) を超えているので含みません!

したがって、
(1) Children over 15 can enter.
この場合、15歳である期間を「超えて」いる人が入場可能という意味になり、
16歳以上入場可能」と訳す必要があります。


ではなぜ、over の意味がつかめていて「16以上」とした人もターゲットなのか?
記事へのリンクに飛んでいただけると分かりますが、
"over 15 movies" は「15以上」と訳しています。

これはなぜかというと、(1) の例文では、「15歳を超えるか超えないか」が「入場してよいかダメか」に関わるので、日本語の「~以上」という表現に移し替えるときは「16歳以上」と厳密に扱う必要がありますが、(n) の数字が「概数の基準点」になっているだけの時は、別な考え方が必要になってくるからです:

(2) The Film Festival has programmed over 15 movies.
といった場合、この映画祭で上映される映画の数は「15を超えている」ので、16~19作品くらいということになります。

ですが、これを日本語にするときに、「16以上」とする必要があるか?と考えてみてください。実際が16~19作品とすれば、「15以上の作品が上映される」と表現しても問題ないですよね。

上で「概数の基準点」と述べましたが、つまりここでは「15はある」ことを基準に、それより多いということだけを言っているので、「15を含むか含まないか」は大きな問題ではないのです。

それにしても、日本語の「~以上」に直接相当する英語表現というのはないので、「15歳以上入場可」と言いたければ、
(3) Children of 15 and over can enter.
と表現することになる、といったことをみると、英語ネイティヴは「~以上・以下」がなくて不便に感じないのか?と思ったりしますが、
それは結局、「(米を)うるかす」というのが北海道弁だと知って、本州の人に「あずましくないんでないかい?」と思うのと同じ感覚なのでしょうね… 

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