■ Winnie-the-Poohに対するガリレオの想い
ガリレオが初めて「1冊」読破した洋書といえば Harry Potter and the Chamber of Secretsですが、実はその前に高校2年の時の Oral Communication I(当時)の夏休みの宿題で、Winnie-the-Poohの Chapter 1 (In which we are introduced to Winnie-the-Pooh and some Bees, and the stories begin)を読んだことがあります。つまり Winnie-the-Poohは、ガリレオにとって、「英語で原文を読んだ」という意味では記念すべき第一歩となった思い出深い作品ということになるのです。
その後、大学に入ってから改めて1冊全体を読み通し、大学院の時にも研究のフィールドワークとして読み返しました。このように繰り返し読んできた中で、この Winnie-the-Poohの英文というのは、アリスやハリー・ポッター、メアリー・ポピンズ、チャーリーとチョコレート工場などと同様、一見「児童文学」というイメージから簡単そうに思われながらも決して侮れないことを実感しました。間違いなく、英語を精読できる力が増すごとに新たな姿を見せてくれる深い作品のひとつとして挙げられるものでしょう。
■ 英語学的な分析対象の宝庫
何しろ、第1章のはじめの方で、Christopher Robinは'He's Winnie-ther-Pooh. Don't you know what "ther" means?'と、英語学者ですらドキリとするようなことを聞いてくるし、プーさんのはちみつが honeyではなく hunnyなのも、発音とスペリングの対応関係を考えれば極めて「理にかなったミススペリング」であるし、第8章では North Pole(北極)を探して「棒険」に出かけるし…
「ウィニー・ザ〜ァ・プーだよ。『ザ〜ァ』ってどんな意味か知らない?」
英語学の知見を頼りに分析をしていくと、『不思議の国 / 鏡の国のアリス』に匹敵するくらい、楽しくてしょうがないのです。
そんな意味でも、ガリレオが新訳・解説を手がけて然るべきという思いですら、ふつふつと湧き上がってくる。決して平坦な道のりではないでしょうが、ガリレオだからこそ伝えられるプーさんの魅力を表現していきます。どうぞご期待ください♪
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