■ ジャングルの掟
「質 and/or 量として最大のシェア・分け前」の意味をなす表現として、以下の ----- に入る動物は何でしょう?the -----'s share (of something)
正解は→ the lion's (share of something)
百獣の王の面目躍如といったところでしょうか?
- ライオンが狩りで獲物を仕留める
- 獲物の大半かつ一番おいしいところを得る
- ハイエナやハゲタカなどが「おこぼれ」にあずかる
…という自然界の構造が言語表現に写しとられているという形になり、そこでは人間社会における様々な対象が「獲物」に相当するものとして捉えられることとなる:
YouTube still makes up the lion's share of the content that we are supplying users every single day
(Robert Kyncl & Maany Peyvan, Streampunks: How YouTube and the New Creators are Transforming Our Lives, Kindle版 位置 2399)
■ 成句表現をどう問うか?
私大入試には、the lion's shareのような成句を持ち出して、lionの部分を空所にして答えさせる…といったタイプの出題が多いイメージがある。しかし、英語テストとして、単に「物知りクイズ」的に成句を扱うのは好ましくないとガリレオは考えている-結局は「知ってるか知らないか」だけの問題になってしまうし、受験生の勉強法も「狙われそうな表現を詰め込む」という方向に流されてしまう。
そうではなく、まとまった文脈を提示した中で、例えば the lion's share of somethingならば、それが "the largest and/or the best part of it"の意味で理解できているかを問う方向で出題したい。
その形であれば、たとえこの表現自体がテスト当日に初めて目にしたものだとしても、全体の話の流れを踏まえて局所の意味を理解するという、重要な言語能力にタップすることが可能になろう。また、文脈を基にメタファー表現の意味を想像する過程で、その表現を支えるネイティヴのモノの見方を伺い知ることにもつながる。
扱う題材は同じでも、どのような形で出題するかの違いで、テスト出題者のセンスと知性に大きな差が現れるものである。受験生の学習の方向性はテストによって大きく左右されるのだから(波及効果)、この点はもっと厳しく目を向けられるべき問題である。
★Here is the Path to Wonderland☆
ライオンならば、ジャングルではなくてサバンナか…(・・?)いずれにしても、「ジャングルの掟」というのは、ガリレオが中学生だった頃の英語の先生(通称:ジャパン)がよく口にされていたのだよ(笑)
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